飛行機での輸送中にレバーの折れてしまったお客様のST-6800のレバー体交換作業をしました。
シマノのマニュアルによると
「1. レバーをブラケットに差込みます。」
「2. リターンスプリングの先端を切り欠き部に差込みます。」
とあり、素直な私はこの通りに作業をして時間を無駄にしました。
例えば「 リターンスプリングの先端を切り欠き部横の穴に差込みつつレバーをブラケットに差込みます。」などの表現がよりわかりやすいのではないかと思います。
3.の図ですが、間違うことはないとは思いますが誤解を招く恐れのある説明文ではないかと思いました。
「取外したEリングは再度使用しないでください。 新品をご使用ください。」ということです。
折損位置について。
カーボンレバー裏側の中間付近に段がついて急に肉厚の変わる部分がありました。当然そこに応力が集中してその部分が折れやすくなります。緩やかに肉厚を変えて折れにくくすることもできたはずです。
意図的に中間部分で折れやすくしたものではないかと思います。レース中のレバー折れはなくはないもの。中間付近で折れればレースは何とか継続できます。折れにくく作ってそれでも折れてしまうときはレバー軸近くでの折れとなり、レース継続は困難となりかねません。レース継続を考慮しての折れ位置設計ではないかと思います。
このことで思い出したことがあります。初代のジュラエースのブレーキレバーは軽量化のための小穴がたくさん開けられたものでした。折れやすい部分に軽量化の穴あけを懸念する声もありましたがシマノはしっかり検証の上での穴あけであるといっていたと思います。
さらに余談ですが初代ジュラブレーキレバーでも特に初期のものは1個1個の小穴の面取りがレバー裏側にもしっかりとしてありました。後期のものは開けっぱなしになっていました。